言葉と音楽

好きな、本、映画、音楽について綴ります。金城一紀、村上春樹、西加奈子、サカナクション、椎名林檎が好きです。

アニメ映画『聲の形』を観ました。

8月25日にNHKで放送していた『聲の形(こえのかたち)』を観ました。


映画『聲の形』DVD

 

数年前に「王様のブランチ」か何かで原作漫画が取り上げられていたことを覚えています。

 


聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
 

 

内容は、

主人公のいじめっ子、ショウヤの小学校に西宮さんという耳の不自由な女の子が転校して来ます。

主人公のショウヤ、西宮さんとのコミュニケーションに不満を持つクラスメイトのナオちゃんは、

西宮さんをいじめますが、不満をぶつけるどころかニコニコと友達になろうとする西宮さん。

そんな西宮さんを受け入れられずいじめはエスカレートしていき、

とうとう西宮さんは転校していきます。

西宮さんへのいじめをきっかけに、今度はクラスから孤立していくショウヤ。

成長し高校生になったが、友人のいないショウヤは西宮さんに会いに行き・・・。

という内容。

 

 

小学校で繰り広げられるいじめや、それに関わっているクラスメイトの立ち振る舞いが

とてもリアルなんですが、それを耐える西宮さんがすごく不思議というか、

得体の知れない感じがしました。

きっと性根の良い子なんだと思いますが、

彼女が純粋すぎることで周りの子たちはかえって恐ろしく感じるんだと思います。

 

高校生に成長した彼らは

各々の価値観で行動を取っていくのですが、

みんながみんな本当に自分勝手で

そこがとてもリアルに感じました。

「こういうクラスメイトいた」思わずそう感じる登場人物ばかり。

ただ、それぞれが自分の「正義」というか「信念」を貫いているのが

この作品らしさなのかな、と思いました。

身勝手に見えるけれど、それぞれ筋が通っている。

 

 

健常者同士であっても難しいコミュニケーション。

西宮さんという、今までショウヤたちが接してこなかったタイプのコミュニケーションを主とする人物が加わることで、

それぞれの人との接し方がはっきりしてきます。

興味を持ちながらもどう接すれば良いかわからず困惑するもの、

積極的に歩み寄ろうとするもの、

接触を避けるもの。

そこにさらに人間関係、力関係が入ってきてさらに複雑に。

 

 

ツッコミどころも多いのですが、

コミュニケーション、人との接し方について考えさせられる作品でした。

 

 

作中、登場人物が手話を使うシーンが多々出てくるのですが、

手話の字幕や解説がないため、観客も登場人物と同じ土俵で接することができるのは

良いと思いました。

 

 

何かを考えるきっかけになれば良いと思います。


聲の形 全巻セット 1−7巻/大今良時